キリキリソテーにうってつけの日

海外文学中心の読書録。引っ越しました→http://d.hatena.ne.jp/owl_man/

Ads by Google

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
--.--.--[--] Post --:--  CO:-  TB:-  スポンサー広告  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

>ぐらさん

そうですね、『追放の王国』も、かなりえぐってくるというか、鋭い切っ先をつきつけてくるなと感じましたが、『カリギュラ』は『カリギュラ』で独特の印象が残りました。

なにげに、論理的に整合性が一番あるのが、一番狂っているカリギュラなのが、すごい。人間は、不合理、不条理だからこそ「人間」なのかも、と思いました。
2008.12.08[Mon]  投稿者:ふくろう男  編集  Top▲

わたしも、いろんな意味で圧倒されました。
自分のなかのものさしとか価値観が揺らぐ感じ。
カミュって、すごいところを突いてきます。

良くも悪くも、論理的に狂う人って強烈な個性ありますね。
2008.12.07[Sun]  投稿者:ぐら  編集  Top▲

TRACKBACK

Ads by Google のトラックバックアドレス
http://nasca.blog72.fc2.com/tb.php/176-31e7f418
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

『カリギュラ』 アルベール・カミュ

蜷川幸雄演出・小栗旬主演で話題になった舞台の原作。 劇場に行けなかったが、「情熱大陸」は観たぞ、という人は多いのではないだろうか(... .....続きを読む
2008.12.07[Sun]  発信元:ぐらんぼん  

『カリギュラ』A.カミュ

caligura.jpg



[不可能!]

月を手に入れようと手をのばしても、願いは叶わない。ならば?

カミュによって『異邦人』『シーシュポスの神話』とともに、「不条理三部作」と位置づけられた戯曲。
2007年に、小栗旬主演、蜷川幸雄演出で公演した舞台で、話題になった。
ハヤカワのすごいと思うレーベル「ハヤカワ演劇文庫」から出ている。なにがすごいって、恐ろしくニッチであろう分野をレーベルとして、しかも文庫として出してしまうこの漢気。


カリギュラは実在のローマ皇帝で、悪役の権化として名高いネロと並ぶ暴君とされている。
いわゆる暴君の中の暴君を、本書は題材にしているわけだが、カミュはさすがカミュであり、ただの狂人としては描かない。
カリギュラは、前後不覚の狂人ではなく、理性をもった上で、きわめて論理的に狂ってみせる人間として描かれる。

月を手に入れたいと、手をどれだけのばしても、それは不可能だ。だけど、カリギュラは全力で手を伸ばす。持てる力の限りを尽くして、「不可能」に挑もうとする。
あまりにちっぽけな人間は、世界に対してどれほどの抵抗力も持たないが、カリギュラには権力があった。だから権力を全力で使う。「死ね」と命令し、「国を飢饉にする」と言い放って実行する。

「私は論理に従うことに決めた。私には権力がある。論理がどれほど高くつくか、お前たちはみることになるだろう」(本文より)
命はどうでもいい。自分のものも、他者のものも、等しくどうでもいい。だから殺すし、自分の死もなんとも思わない。
ここらへんのロジックの立て方がすごい。極めて論理的に正当で、ある意味平等精神だが、結果としてはやはり大いに狂っている。

カリギュラは、世界に抵抗するひとりのちっぽけな人間だが、また他者へ降りかかる「災厄」ともなる。
『ペスト』では、人々を強制的に、死の名のもとにまっ平らにする災厄は、「ペスト」という病気だった。病気はそれ自身の意思を持たない。またそれに立ち向かうことに、罪の意識はない。
しかし、『カリギュラ』の場合、まっ平らにするのは「一人の人間」である。
圧倒的質量をともなってせまってくる悪、恐怖に、人はどのように、どのような理由をもって立ち向かうか?
人民のため、愛する人のため、利益、自分の存在のため。いろいろ理由はあるが、要するに自分の存在のために、他者の存在を殺すことに変わりはなくて、それぞれの人がそれぞれの選択をしていく。

いろいろと壮絶だった。やっぱりカミュは好きだ。
『異邦人』が、その短さのせいか、よくカミュ入門編のように言われるが、『カリギュラ』の方がいいと、個人的には思う。短い作品で、カミュらしい。倫理とか常識とかでごまかしきれない淵まで、穏やかに、しかし鋭く突きつめてくる。

世界は容赦もなく、呵責もなく。

Albert Camus Caligula ,1944.
アルベール・カミュ: 岩切 正一郎訳『カリギュラ』早川書房、2008年。



カミュの著作レビュー:
『ペスト』

recommend:
>カミュ『シーシュポスの神話』・・・表題より、「不条理な論証」がおすすめ。
>シェイクスピア『リア王』・・・悲劇の王様。
>ヒトラー『わが闘争』・・・歴史上の残虐。
rate:☆☆☆☆☆

2008.12.02[Tue] Post 22:57  CO:2  TB:1  フランス文学  Top▲

COMMENT

NAME

SUBJECT

BLOG/HP

PASSWORD

COMMENT

SECRET: ※非公開コメントにしたい場合はBOXにチェックをして下さい ⇒ 

SUBMIT: 送信 

>ぐらさん

そうですね、『追放の王国』も、かなりえぐってくるというか、鋭い切っ先をつきつけてくるなと感じましたが、『カリギュラ』は『カリギュラ』で独特の印象が残りました。

なにげに、論理的に整合性が一番あるのが、一番狂っているカリギュラなのが、すごい。人間は、不合理、不条理だからこそ「人間」なのかも、と思いました。
2008.12.08[Mon]  投稿者:ふくろう男  編集  Top▲

わたしも、いろんな意味で圧倒されました。
自分のなかのものさしとか価値観が揺らぐ感じ。
カミュって、すごいところを突いてきます。

良くも悪くも、論理的に狂う人って強烈な個性ありますね。
2008.12.07[Sun]  投稿者:ぐら  編集  Top▲

TRACKBACK

『カリギュラ』A.カミュ のトラックバックアドレス
http://nasca.blog72.fc2.com/tb.php/176-31e7f418
 ⇒ この記事に対してトラックバックを送信する(FC2ブログユーザー)

『カリギュラ』 アルベール・カミュ

蜷川幸雄演出・小栗旬主演で話題になった舞台の原作。 劇場に行けなかったが、「情熱大陸」は観たぞ、という人は多いのではないだろうか(... .....続きを読む
2008.12.07[Sun]  発信元:ぐらんぼん  
FC2ブログ 専門学校
Log in*/RSS*】  Design 「AZ+」Plugin Template...  Page Top▲