2008.05.29 Thu

[自然を描く、自然にひたる]
トーベ・ヤンソン、彼女の小説は、「書く」より「描く」という言葉がにあう。
フィンランドといえばムーミン。
トーベは、そんなステレオタイプさえ生み出した、フィンランド生まれの女性作家。
「ムーミン」シリーズは、アニメでおなじみの人も多いだろう。
かばのような(失礼)ムーミンと、さすらいのスナフキン、そのほかゆかいな仲間が繰り広げるほのぼの物語・・・それが、日本におけるムーミンの一般的なイメージだろうと思う。
ところがあのアニメ版ムーミンは、本当のムーミンやトーベ・ヤンソンの作風とはちょっと違っていて、原作は、もうちょっとシュールで、野生味がある。
本書は、そんなトーベの自然へのまなざし、たくましさが楽しめる。
日常に、ふらりとトーベ・ヤンソンの短編を読めて、幸せだなあと思える。
どの話も短く、しかも良質のものが選ばれているから、気負わずに読みたい時にさらりと読める。
トーベは、長い間、岩だらけの孤島、クルーヴハル島で過ごした。
彼女の自然への視線は、どこか人間というよりは、動物的だ。
ごつごつとした岸壁、そこに生えるたくましい野生の植物、生物、そうしたものへの描写が、いきいきと描かれる。
老いも若いもひっくるめたような感性が光る。
ふと息抜きのように読みたくなる本。
...Tove Marika Jansson.
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個人ごとだが、トーベ・ヤンソンは、私のもっとも好きなイラストレーターの一人だったりする。
ムーミンシリーズの彼女の挿絵は、大気の色まで見えそうで、とにかく迫力がある。
一度も彼女の作品を見たことがない人は、ぜひ本屋でちらりとのぞいてみてほしい。
recommend:
>トーベ・ヤンソン『少女ソフィアの夏』
(児童書だけど、これもよい。ソフィアとばあちゃんの対等な話っぷりがおもしろい)
>ヴァージニア・ウルフ『灯台へ』 (灯台で静かに暮らすこと)
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