2008.06.24 Tue

[思い出す、悲しみは]
19歳の時に書かれ、フランス文学界から絶賛を浴びた、サガンの処女作。
読んだあとのざっくりとした感想は「ああ、フランスだなー」。
全体的に、なんともフランスの少女らしいかわいさ、気まぐれ、痛み、残酷さな雰囲気がある物語。
大人になりきれない、なれない、なりたくない。
自分にも、かつてそういう時代があったことを思い出す。
幼い頃は、大人がとても「大人」に見えたけれど、今自分が同じ年にたった時、大人も必死だったのだと分かる。
主人公は、いわゆる「大人の女性」である父親の愛人に反発し続ける。
「彼女はまっすぐに、動かずにしゃべれる女たちの一人だった。
私には、長いすだとか、手持ち無沙汰につかむ物だとか、タバコだとか、 足をぶらつかせるとか、ぶらついている足を眺めるとかが必要だった。」(本文より)
大人の女性と、自分との対比が絶えず絶えず行われて、そして迎える結末。
昔を思い出すような口調、ふと現実に帰る瞬間があって、それが切なさを増している。
水色とバラ色の石を拾って、それを今眺めているシーンが、お気に入り。
青春がすでに過ぎ去ってしまっている人にとって、それを思い出す時には、きっとこんな気持ちになるに違いない。
「今日、この石は桃色に、暖かく私の手の中にあって、私を泣きたくさせる。」
...Françoise Sagan BONJOUR TRISTESSE , 1954.
フランソワーズ サガン/朝吹 登水子訳『悲しみよこんにちは』新潮社、1955年。
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薄さ、青春小説という肩書きから、軽く読み始めたのだが、思ったよりも良かった本。
フランス映画のような、物憂げさ、色彩がすてき。

河出書房から、池澤夏樹セレクションで出ましたね。
こちらの表紙もなかなかいいと思う。
recommend:
>コクトー『恐るべき子供たち』 (青春の痛みと恋心)
>サリンジャー『ライ麦畑でつかまえて』 (男の子版、悪ぶる青春)
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